筆者の意図は、工作機械を「作業機」として位置付けるとともに、「作業機」に対して数値制御などの「制御」機構を組み込んだことが「作業機」としての工作機械の技術的発展につながったことのアナロジーとして、「作業機」に生成AIを制御機構として組み込むことがどのような技術的発展をもたらすのかを問題としたものです。
しかしそうした筆者の意図は先に挙げた「ChatGPTなど最近の生成AI技術の歴史的発展は、IoT論で構想されているようなリアルな諸事物のネットワーク・システムと生成AIとの「結合」により、生成AIが「作業」要素機構や「制御」要素機構の中心的要素となり、社会や生産のあり方を将来的に大きく変える可能性が高い。」といったプロンプト文のように、「作業」要素機構や「制御」要素機構といった一般的ではない用語を補足的説明抜きで使ったプロンプト文では生成AIの回答は期待に応えたものにはなりません。人間とのコミュニケーションにおいてもそうですが、意図をより明確に伝わるような追加・補足が必要です。
例えば、この場合で言えば、下記のようなプロンプト文を生成AIに与える必要があります。
ChatGPTなど最近の生成AI技術の歴史的発展は、IoT論で構想されているようなリアルな諸事物のネットワーク・システムと生成AIとの「結合」により、生成AIが「作業」要素機構や「制御」要素機構の中心的要素となり、社会や生産のあり方を将来的に大きく変える可能性が高い。
## 視点1##
工作機械という「作業機」に関する20世紀後半の発展は、工作機械に対して数値制御などの「制御」機構を組み込んだことによるものである。「作業機」に生成AIを制御機構として組み込むことの意義もそうしたことのアナロジーとして理解できる。
## 視点2##
機械の歴史的発展は、「作業機」、「伝達装置」、「動力機」、「制御機構」といった要素視点から捉えることができる。
上記プロンプト文を与えた結果は下記の通りです。
上記回答においてChatGPT4oが用いている参照資料は、筆者が求めている領域のものとはまだ隔たりがありますが、回答内容は先のものよりはかなり優れたものとなっています。内容的まとめとしてはまだ不適切性がありますが、「視点1:工作機械と数値制御の発展とのアナロジー」と「視点2:機械の要素視点による歴史的発展の捉え方」というまとめ方は、筆者の意図をそれなりに反映した言い換えになっています。
上記回答の内容は、本ページで挙げた中で最も優れている。参考資料も、筆者が意図した領域のものとは違うが、それでもそれなりに有益なものが挙げられている。
上記回答の内容は、Perplexity AI(Sonar Large版)に次いで優れている。参考資料も、筆者が意図した領域のものとは違うが、それでもそれなりに有益なものが挙げられている。
上記回答の内容それ自体は、OpenAI ChatGPT4oの回答とほぼ同レベルである。しかしながらPerplexity AI(ChatGPT4o版)が挙げている参考資料は、回答内容本文とはかなり外れたものばかりであり、OpenAI ChatGPT4oの上記回答に比べるとかなり質が低い。
上記回答の内容それ自体は、OpenAI ChatGPT4oの回答とほぼ同レベルである。
ただ下記のような表を作成している点は、その内容の質は別として興味深い。
要素 | 機能 | 生成AI導入による潜在的変革 |
要素 | 機能 | 生成AI導入による潜在的変革 |
作業機 | 実際の作業を実行 | AIによる作業プロセスの動的最適化 |
伝達装置 | エネルギーと情報の伝達 | インテリジェントな情報・エネルギー管理 |
動力機 | エネルギー生成 | 予測的メンテナンスと効率的なエネルギー利用 |
制御機構 | システムの調整と管理 | 自律的で学習可能な制御システム |
なおPerplexity AI(Claude3.5 Haiku版)が挙げている参考資料は、Perplexity AI(ChatGPT4o版)よりはましであるが、OpenAI ChatGPT4oの上記回答よりも劣っている。
上記回答は、Perplexity AI(Sonar Large版)と同レベルの高い水準の回答である。なお挙げられている参考資料も、筆者が求めているものとズレてはいるが、それなりの水準と評価できる。